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はじめに   会長 加茂元照


平尾秀一先生(左)と大高氏 

 

 早いもので平尾秀一先生がお亡くなりになって10年目の6月8日を迎えます。祭壇一面に供えられた「栄紫」の深い輝き、そして会員の皆々が持ち寄った花菖蒲に埋もれて眠られた先生の安らかなお顔がまるで昨日のことのような鮮やかさでまぶたに浮びます。

 昭和26年、空襲で焼け跡だらけの東京の、占領軍総司令部・GHQの筋向かいにある日比谷公園で日本花菖蒲協会の展示会が開かれると聞き、母と出かけたのが平尾先生との出会いでした。よれよれの背広で手拭いを腰にぶら下げ、下駄履き姿の先生が、見事に咲いた極大輪の鉢植えを抱えて運んでおられる姿は花菖蒲と一心同体そのものでした。
 以来、お亡くなりになるまで37年間もお導き頂いたことになり、今更ながら感慨無量です。

 今回の号には植木久晴さんが「私見 平尾先生記」を書かれていますが次号にはもっと多くの方々からの平尾先生を偲ぶ記事をお願い致したいと思います。

 事務局自身で編集、印刷、出版するデスクトップパブリッシング(DTP)方式による会報が三冊目となりました。回を重ねる度にレベルが上がり、この第二四号の内容は従来の「会報」の概念を越える見事なものとなりました。原稿をお寄せ下さった方々と、編集、印刷、出版を担当された一江、永田両君のご努力に敬意を表します。